前回は「MSB-28 MILITARY BACKPACK "THE CAIMAN"」を作ろうと思ったきっかけを書きましたが、今回は製品の説明について書いていこうと思います。
前回のお浚いですがバックパックのコンセプトです。
①バッグを下ろさず中の物を取り出せること
②荷物を効率良く収納できること
③長時間背負っていても疲れないこと
④オプションパーツを付けるモールが各所に有ること
⑤ロッドホルダーを装着出来ること
⑥1日の釣行にちょうど良いサイズ感であること
⑦タウンユースの使用でも違和感が無くスタイリッシュなこと
機能性を突き詰めた結果、特徴的なデザインのバックパックが完成しました。
本体側面に配置された巨大な開口部、荷物を効率よく収納する為のスクエアなフォルムとなっています。
スクエアな形状とモールテープで野暮ったくなってしまうバッグですが、それを払拭するために外見をなるべくシンプルにしました。前面ポケットを本体と同じ大きさにして統一感を出しています。
スクエアなバッグに丸みを持たせ、上部を下部より大きくしてランドセル感を無くしました。
スタイリッシュなデザインはタウンユースでも違和感なく使用可能です。
完成したCAIMANです。上部と下部で5cmも幅を変えてあります。側面にEVAを入れた為、しっかりした形になってます。
3作目のサンプルです。完成形に近くなってきました。上部と下部の差は3cmです。正面生地を部分的に変更しスタイリッシュにしました。
2作目のサンプル写真です。この頃は上部と下部の長さが同じでランドセルみたいでした。野暮ったい形をしています。
バックパックのメリットは大量の荷物を効率良く運べることです。
重量も両肩に分散され、しっかりと体に固定出来るので長時間の装着や激しい動きも可能です。
しかし1番の問題点は、下ろさないと中の荷物を取り出せない事です。
一般的なバックパックは上部に開口部があり、下ろさないと荷物の出し入れが困難です。
釣りでは頻繁に中の物を出す為、交換の都度バッグを下ろしていてはとても非効率です。
またウェーディング中などバックを下ろせない場面もあります。
そのような点を解決する為、CAIMANは開口部を側面に持ってきました。
バッグを前に回しフタを開けることで、タックルの位置を把握出来るので簡単に物を取り出すことが出来ます。
側面の開口部は効率良く収納する事にも一役買っています。
開口部が大きいことで明邦VS3043等の大型のケースも容易に出し入れ可能になっています。
長時間の釣行を快適に出来る様に背負い心地にも拘りました。
体に触れる部分(背面とショルダーパッド)に通気性の良いエアメッシュを採用し、中に極厚のクッション材を入れてあります。 さらに背面には剛性を高める為にプラ板が入っています。これにより体への負担を減らし快適に釣りを楽しむことが出来ます。
サンプルでは何回も芯材の素材や厚さを変えて使い心地を吟味しました。スポンジだとハリが無く、開けたときにバッグが歪んでしまいファスナーを動かしにくいということが起きていました。側面にも硬い芯材を入れることで開閉時にバッグの歪みを減らしスムーズにファスナーを動かすことが出来ました。
本体内部は内蔵の仕切り板で2気室に変更可能です。仕切りを開放することで大きな物も収納可能です。
背面、ショルダーパットはエアメッシュを採用し、 極厚のクッション材を入れています。ウエスト部にはオプションのベルトを装着することが出来ます。
バンジーコード+ベルトでレイン、ネット等を固定することが出来ます。バンジーコードでポーチのバタつきを抑えることも出来ます。
リーニアのバッグはペンチやラインカッター等を好きな位置に装着することができますが、アウトドアメーカーのバックパックでは装着出来る場所が限られています。
オプションパーツを使い勝手の良い位置に配置できるように各所にモールテープを配置しました。
注目すべきは正面のモールテープです。このテープは敢えて縦向きに配置してあります。
本体荷物の出し入れと同時に取り付けたポーチ等の中身を取り出すことが出来る様に向きを揃えました。
またショルダーパットには左右それぞれ4本のモールテープを配置しました。
プライヤーポルダーや小さめのポーチ等のオプションを取り付ける事が可能です。
通常このようなショルダーベルトに多くのモールテープを配置したバッグはチェストベルトが固定されていて移動できませんが、背負い心地を考慮してチェストベルトをクリップで自分の好きな位置に移動できるようにしました。
MSB-29AD TITANに付いている物と同じロッドホルダーも標準装備しています。
ショルダーパットにオプションを取り付けた写真です。小さめのオプションなどを装着することが出来ます。
チェストベルトはクリップで好きな高さのモールテープに取り付ける事ができます。
標準装備のロッドホルダーにロッドを取り付けた写真です。
タックルを多く持って行く場合やレインウエア、食料を携帯したい状況にも対応できるサイズとなっております。
本体は内蔵の仕切り板で2気室に変更可能です。下段にタックル、上段にレインウエア、食料など分けて収納することが可能です。
前面のポケットは中にオープンポケットが装備され、分別して収納することが可能となっています。
最後に弊社にはもう一型”TITAN”というバックパックが有ります。
どっちがいいの?という話が必ず出てくると思います。
両方バッグとも大量の荷物を快適に運ぶ事にはかなりこだわっています。
単純に見た目で選んでもOKですが ...
TITANは釣り場で基地として使うことを目的としています。バッグが自立しフタ部分がテーブルとなって作業台として使うことが出来ます。
CAIMANは背負いながらのランガンでどんどんポイントを変更していくような釣りを目的としています。
どちらが自分のスタイルに有っているかで選んでいただくのがベストだと思います。
バックパックのメリットを生かし、釣行時の不都合点を改善した「MSB-28 BACKPACK"CAIMAN"」は皆様もご納得いく製品に仕上がったと自負しております。ぜひお手に取って確認ください。